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──橋の下

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 かれこれ半年ほど前の話なのですが、感動したことがあったのでここで書いてみたいと思います。愛知県で毎年開催されている音楽フェス「橋の下世界音楽祭」に初めて遊びに行ってきました。各方面の友達(といっても偏った仲間しかいねーけど)からとても素晴らしいフェスだと聞いていたので「いつかは…」と思っていたのですが、それがまさに昨年9月に開催された橋の下世界音楽祭でした。ちょうど直前まで近くの刈谷市というところに仕事で行っており、その仕事をひと段落させたところで行くことができたのです。この回からはPossessedと地元の酒場兼スケートショップである河板堂プレゼンツによる特設スケートパークも出現。なんとも奇跡的なタイミングをモノにすることができました。
 会場は自動車で有名な豊田市にある河川敷。ちょくちょくスケートの映像にも登場するレッジスポットの川を挟んだ向こう側。大きな橋の下を中心に多種多様なステージや出店が並びます。驚くべきことにステージやずらりと並んだ小屋、看板やアートは廃木材を利用し、主催者やその周りの人らによって手作りされたものであるということ。また会場で使う電気も、設置されたソーラーパネルから作られた電力だといいます。数々のライブステージからそこらを練り歩くチンドン、見世物、各種の展示など見どころが実に満載で、まるで異世界に来たような錯覚すら覚えてしまいます。老若男女楽しむことができる3日間のお祭。ここでお伝えするにはまったく足りないくらいの内容なのに3日間の通し券がわずか6,000円という価格は、定番の大型フェスの1日券の半額以下。商業主義とは真逆のスタンスに熱い何かを感じます。
 個人的に特に何が感動したかって、トイレのキレイさ。何千、何万人もの来場があるフェスや祭の時って、その一帯のトイレってどこも水浸しで空き缶やゴミが散乱しているはず。しかし橋の下世界音楽祭においては仮設・常設のトイレが驚くほどキレイに利用されておりました。まだまだ暑いその時期、水分を取ってはトイレで用を足すってことが何度もありましたが、イベントの3日間、つねにトイレがキレイに保たれており、忘れ物のペットボトルがまれに1、2本あるくらい。トイレのみならず会場のあちこちを行き来しても、ポイ捨てされたゴミの少なさに驚かされたものです。スタッフの尽力によるところも大きいと思いますが、来場者がこのイベントに大きなリスペクトを持っているからだと思います。Turtle Islandというバンドが主催するこの盛大なお祭。DIYで作られるその空間をひとりひとりが大事にしているからこそ、このようなイベントが成立しているのです。
 パンクやハードコアという音楽が根幹にあるTurtle Island。そのカルチャーに根付くDIYの精神。僕はパンクシーンのひとつの集大成をこの目で見て感じたように思いました。思うにスケートボードだって、パンク精神、DIY精神とは切っても切り離せないもののはず。先日の駒沢パークの注意喚起しかり、世界からスケーターの集まるスペインのMACBAだって雲行きが怪しい模様。原因のひとつがゴミ問題だったりするのはみなさんご存知の通り。こういった問題点をクリアした先にあるはずの、スケートボードのひとつの集大成をいつか僕は見てみたい。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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