いわゆるオールラウンダーって、やっぱりかっこいいですよね。得意分野を極めて魅せるスケートも素敵なのですが、どんな状況下でも楽しく、なおかつ安定したスキルでスケートができてしまう人は永遠の憧れです。言わずと知れた名門(?)Antiheroのライダーなんかはその最たるもので、昔とある友人がSFの街を訪れた際、偶然にも遭遇したあのジョン・カーディエルとジュリアン・ストレンジャーによるユニオンスクエアでのセッションのエピソードは今だ僕を惹きつけて止みません。
それは彼らが猛スピードでユニオンスクエア内に入ってきたときの話。ふたりは勢いそのまま花壇でのセッションを始めたのだそう。当時のユニオンスクエアには敷地のいたるところに良質な花壇があり、いわゆるヘッシュとは違うタイプのどちらかと言うとレッジトリックを好むスケーターたちがセッションを楽しむ場面が多く見られたスポットでした。その敷地中央部にあるメインの花壇は当時としてはなかなかの高さ(膝上10cmくらいかな?)で、Thrasherのビデオ『Feats』でフレッド・ガルが披露したSSBSTS(スイッチバックテール)が個人的にはベストトリックです。
そんな高めのレッジに、いわゆるトランジションでのスケートで魅せることが多く、ヘッシュ寄りに見られていた(僕が勝手にそう思ってただけかもしれませんが)ふたりは猛スピードでレッジトリックを鬼流ししまくっていたんだそう。それは思わず止まって見入ってしまうほどの迫力だったそうで、そんな貴重なセッションにリアルタイムで遭遇できたこの友人はかなりの幸せ者です。
そして現在はグラント・テイラーやイショッド・ウェアなどに代表される、実に多くの魅力的な次世代オールラウンダーたちの活躍で大いに盛り上がっているスケートシーンなのですが、この間の世代に活躍していたオールラウンダーたちのこともふと思い出したので、今回は印象的なこのお三方の映像を貼り付けておきます。
3人とも素晴らしいスキルの持ち主だったのですが、最近まったくお見かけしません。何処へ…。
─Takayuki Hagiwara(FatBros)
https://www.youtube.com/watch?v=1aYdMcSr_WU