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誰でも、子どもの頃は理解できなかったことが大人になってわかるという経験をしたことがあると思…
──DANNY SARGENT

2016.09.30

 先週に引き続き本企画の担当を務めるTH氏がお休みのため、今週はMKが担当させていただきます。担当者の代役を十分に果たし、Yo! Chui独特の世界観を保つのは非常に難しいですが、なんとかひとつのテーマに沿って動画をご紹介したいと思います。
 誰でも、子どもの頃は理解できなかったことが大人になってわかるという経験をしたことがあると思います。立派な中年になり、年齢と経験を重ねたことで初めて理解できたことが自分にもあります。それは映画や音楽などさまざまですが、今回ご紹介したいのは、ダニー・サージェントという素晴らしいスケーター。
 サージェントは'80年代後半から'90年代初頭にSFを拠点に活躍し、“スラッピーの神”との異名を誇ったスケーターです。Concrete JungleやSchmitt Stixなどに所属していたのですが、その名が広まったのはNew Dealに移籍してから。1990年リリースの『Useless Wooden Toy』で一躍有名になったと記憶しています。当時はちょうどテクニカルなトリックが進化し始めた時代だったのですが、サージェントのスタイルはひたすらハイスピードでカーブに突っ込み、その異名の通りスラッピーでゴリゴリと激しくグラインドするという、どちらかといえばオールドスタイル。まだ10代半ばのガキんちょだった自分はスケートビデオに次々と登場する新しいトリックに夢中で、サージェントにあまり興味が持てませんでした。
 そんなサージェントの当時のパートを改めて観返したのが7年ほど前のこと。SLIDERの取材でSFを訪れたときに偶然サージェントと遭遇し、取材を敢行したことがそのきっかけでした。トリックの進化だけに固執するのではなく、オールドトリックが見直されてスタイルの多様性が受け入れられる時代になったことが原因のひとつかもしれませんが、スラッピーをはじめとするシンプルなトリックで荒々しくテラインを攻めるサージェントの姿にスケートボードの魅力を感じました。
 ということで、“スラッピーの神”、ダニー・サージェントのパートをチェックしてください。
 「スラッピーとはテールを弾くことなく、フロントトラック、そしてバックトラックという順番でグラインドに入るトリック。それ以外はスラッピーではない」とは本人談。つまり、低いカーブでのノーズスライドやフィーブルはスラッピーではありません。さらに言えば、最近ジェイク・ジョンソンやウェス・クレマーがハバレッジで実践しているあのアメージングなトリックの数々は、スラッピーではなくウォールライドからの50-50やブラントスライド。これは神の言葉なので間違いありません。

--MK

 


まだ“スラッピーの神”と呼ばれる前の時代。New Dealが結成されて間もなくリリースされたプロモビデオより。


滑りやすいレッドカーブではなく、グラインドを重ねて育て上げたSFのSafeway前のカーブで魅せるスラッピーが極上すぎます。ざらついた音がたまりません。New Deal『Useless Wooden Toy』。1990年リリース。


ダニー・サージェントといえば、EMBのハイレッジで魅せるスラッピー。これこそ“スラッピーの神”と言われる所以。New Deal『1281』。1991年リリース。


スケートパンクバンド、JFAによる“Danny Sargent's Trucks(※ダニー・サージェントのトラックという意味)”。ダニー・サージェントが曲になっています。当時はスラッピーをしすぎてトラックが2ヵ月もたなかったとか。

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