
自分はかなりの臆病者なので、ハバレッジやハンドレールに迷わず突っ込んでいけるスケーターは基本尊敬しています。大小の程度はあれ、いざトライするとなれば失敗することへの恐怖心に打ち勝つ精神力と集中力が要求されます。そして、たゆまぬ努力を重ねてこの力を身につけた猛者たちだけがその眼下に広がる困難を乗り越えて行くわけです。しかし最近では、そんな挑戦を躊躇してしまう僕のような未熟者をあざ笑うかのような、より大胆な挑戦をハバレッジやハンドレールに仕掛ける超猛者たちが存在します。彼らは通常であれば上から狙うそれら物件に対し、万有引力の法則すら無視して敢えて下から攻め込み、僕らのスポットに対する固定観念とそれを見事に攻略してしまうのです。
このような挑戦を初めて観たのはおそらく'90年代半ば、UK発のデッキブランドであるFlipのライダーとして当時華やかにデビューしたトム・ペニーが、なんかのビデオで階段脇のレッジを下からBSTSで上っている映像だった気がします。それほどの高さではありませんでしたが、やはり引力に逆らってまで進んでいく画というのは何とも形容しがたい不思議な感覚を僕らに植え付けます。ちょっと違うかもしれませんが、例えるならばそれは、前カゴにキモかわいい宇宙人を乗せた自転車が空を飛んでいくあの映画のワンシーンを観た時の感覚に近いものがあるようなないような。
これら超人的挑戦をいとも簡単に(ではないだろうがそう見える)達成してしまうスケーターたちを今回、「銀河系」スケーターとして勝手にピックアップしてみました。ご確認の上、彼らの挑戦から是非コスモを感じ取ってみて下さい。
─Takayuki Hagiwara(FatBros)
https://www.youtube.com/watch?v=5FSDkyjY37M