少し前にもここで取り上げましたが、個人的にミネソタ州ミネアポリスのスケートシーンが好きです。Familiaというローカルショップに集うクルーの自然体な日常のセッションが収められた良質なスケートビデオを彼らはリリースしていて、先日、僕の勤めるショップにも彼らの最新作である『Debri2』が届きました。厳しい条件下でも、路上でのスケートを「楽しむ」ことに長けた彼らならではのアイデアが随所に詰め込まれた、やはり期待を裏切らない良作でした。ちなみに余談ですがこのビデオのフレンドパート部分に、なぜか日本のハロウィンをこよなく愛するおもしろアメリカ人にして、『Tengu / God Of Mischief』の制作者であるNY在住のコリン・リードが登場しています。仲間のメイクをあたかも自分のことのように大はしゃぎして喜んでいる姿が映りこんでいるのですが、その屈託のない笑顔になんだか和みます。またボーナス部分には彼のスケーティングも2カットほど納められていて、難易度の高そうなスポットでウォーリー to Kグラインドを決めています。そして彼もまた自身2作目となるフルレングスビデオを制作中なので、こちらも気になるところです。
そしてこのミネアポリスのイケてるシーンをFamiliaの運営を通して支え続けているのが、これまたイケてる地元出身のスケートボーダーであるスティーブ・ネッサーです。数年前はBirdhouse、I-Pathなどでプロとして活躍し、現在は自身のカンパニーやショップの運営に奔走しているようで、以前ほどその姿を見ることはなくなりましたが、今回紹介している映像を観てもらえればわかるとおり、素晴しいスタイル(特に手のひらの開き具合)とスキルを兼ね備えた最高のスケーターです。
で、ここからはちょっとしたスティーブ・ネッサーのトリビアなんですが、彼には姉か妹がいるらしいのですが、その旦那様がなんとGreen Dayのフロントマン、ビリー・ジョー・アームストロングなんだそう。なんでもカリフォルニア在住の彼らが1990年ごろにミネソタ州をコンサートのため訪れた際、そこで偶然出会った彼女と良い縁を感じ(ビビッときたんでしょうね)、それからカリフォルニアとミネソタでの遠距離恋愛を成就させ、4年後に結婚したんだそうです。
'90年代に青春を謳歌したスケーターにとって、Green Dayのメロディは青春の賛歌そのものです。スティーブ・ネッサー自身も間違いなくそうでしょう。そんな彼の身内に突然、Green Dayのメンバーが加わった時の彼の驚きを想像すると、なんだか笑ってしまいます。
--TH (Fat Bros)