身長2m越えのスケーターってあんまりいませんよね? 説明不要の現代スケートボード界の生き神様こと、トニー・ホーク氏もかなりの長身であることが知られていますが、オフィシャルでは190cmと公表されているので、2mの壁は越えていません。また最近のスケーターでは、少し前に来日していたQuasi Skateboardsのジェイク・ジョンソンがかなりの長身でしたが、彼も2m級ではありませんでしたので、もしかしたら身長2m越えのスケーターっていないんじゃなかろうかとも思えてきます。そんな平均的には国内外問わず比較的小柄な体格の持ち主であることが多いスケートボーダーですが(しかも一般の方はなぜか小柄なほうがスケートやり易いと思ってる人が多い)、僕の知る限り過去に1名、2m越えの身長を誇ったプロスケーターがいます。
いかんせんオジサンなんで、このところ古い記憶ばかりがやけに頭に浮かび、超大盛りぺヤング食べても胃もたれしないヤングたちには退屈な昔話ばかりで申し訳ないのですが、ロン・ウェイリーという男は、'90年代初期に老舗SCS(Santa Cruz Skateboards)のシスターカンパニー、SMA(Santa Monica Airlines)に在籍し、後にSCSへ移籍、そして現役を退いた後は自身がサポートされていたカンパニーの親会社であるNHSに自身の経験とキャリアを還元すべく奮闘し、現在もKrux Trucksのライダー兼マネージャーとして多忙なスケートライフを謳歌している生粋のスケートボーダーです。
そして当時チームメイトであった「THE KID」ことジェイソン・アダムスと、今は亡きサンノゼの良心、ティム・ブラウチらとの実に仲の良さそうなスケートセッションはとても印象的で、仲間と心底スケートボードのすべてを楽しんでいるその姿にずいぶん影響されたのを覚えています。そんな彼のオフィシャルの身長は驚異の6.6フィート、センチに換算すると約201cmですから見事な2m越えです。そして現役当時からフラットにレッジ、トランジションと何でもござれのスキルの持ち主でしたが、恐らくとっくに40歳を過ぎたであろう彼が先日、SCSから発表したビデオパート(しかもプロモデルリリース!)がヤバすぎて、思わず手元のお茶をひっくり返しました。
紹介する映像がすべてを物語っていますが、これほどの高身長でスケートを続けながらも、今の彼の動きは膝の痛みや身体の重さをまったく感じさせないどころか、年齢を重ねてスケートそのものがより魅力的になっているように感じるのはきっと僕だけではないはず。
40オーバーのチームマネージャーにして珠玉のビデオパートにプロモデルのリリース。おそらくかっこいいとは、こういうことだ。
--Takayuki Hagiwara (Fat Bros)