タイトルの15th & JFKとはフィラデルフィアのある場所を示している。その場所とは15丁目とJFKブルバードの角に位置するLOVE PARKのこと。
クリス・マルハーンが手掛けるLOVE PARKのドキュメンタリー『15th & JFK』が徐々に話題になってきています。初めてトレーラーがオンラインに浮上したのが3年前。AWS時代にLOVE PARKで撮影を重ねたビル・ストロベック、フィリーのシーンを支えたスケートショップSub Zero、そして同公園のローカルスケーターであるジョシュ・ケイリス、サージ・トラドナウスキ、ジミー・チャン。LOVE PARKに縁のある面々がトレーラーで我々の期待を膨らませてくれます。
そして先日、新たなトレーラーが。ここで登場するのはロジャー・ブラウンという中年男。まったく誰だかわからなかったので調べてみると、フィリーのスケートシーン草創期を築いたOGスケーターとのこと。ちなみに2004年にOn VideoがLOVE PARKをフィーチャーして話題になったことがありましたが、ローカル的にはこのロジャー・ブラウンが登場しなかったことが不服だったという逸話が残っています。そして'90年代後期から'00年代初頭という特定の時代にフォーカスしすぎだったと。さらにはサージも登場せず、マット・リーズンのフッテージも少なすぎたと…。
このような類のドキュメンタリーは限られた時間で歴史を伝える努力をしなければならないため、すべてを網羅するのは難しい。作品のテーマに関わるすべての人間をフィーチャーするのは至難の業だと思います。だから完成した作品を不服に感じる人は少なからず出てくる。そうやって同じテーマを違うアングルで掘り下げようと新たなドキュメンタリー作品が次々と作られていく。その結果、多角的にシーンの真実に光を当てることができるのだと思います。
ということで、フィリーを語る上で欠かせないとされるロジャー・ブラウンも登場する『15th & JFK』。ミニマルな映像制作が魅力のマルハーンが手掛けるということで個人的に期待大です。無駄な演出なしで淡々と真実のストーリーを紡いでくれることでしょう。完成はいつになるかアナウンスされていませんが、まずはトレーラーをどうぞ。
—MK