正月休みを利用して有名スケートスポットやパークに行ってきた、なんて若者も少なくないのでは。映像や写真で目にしていたスポットやパークを実際に訪れたときの感動(逆もあるが)は格別。かく言う自分も10代の頃に、サンフランシスコのEMBやFTC(Shrader Streetにあったときの)を訪れたり、いわゆる聖地巡礼を当時のスケート仲間と満喫したものです。
話は一気に現代に飛ぶのですが、年末から年明けの1週間を台湾・台北で過ごすことになりまして、師走のバタバタなタイミングではありましたが行ってまいりました。先に現地入りしていた日本人スケーターと合流し、1週間スケート撮影強化合宿なるものを敢行するはずが、まさかのオール雨…。7日間毎日雨って映画『SEVEN』かよ(最終日だけ晴れね)。それでもさすがは台北、雨でも滑れる高架下スポットがいくつかあるので最低限の仕事はこなしたつもりではあったけれど、正直けっこう喰らったっす(汗汗汗)。それでも後半戦はなんとか天気回復するっしょ、という希望的観測は見事に外れ、雨脚は弱まるどころかむしろ強くなる一方。ナーバスブレイクダウン寸前の一同、気分転換も兼ねて観光スポットに行くことに。
目的地は、『千と千尋の神隠し』のモチーフになったとされている(あくまでも噂だけど)“九份”。ステイ先からタクシーでおよそ1時間弱。ワンチャン天気が回復することを願ってデッキ持参で行くも、目的地到着と同時に土砂降り。ゴミ袋にデッキを入れてなんとか雨をしのぐも、足元はぐちゃぐちゃでビショビショ。なにもこんな日に映えスポットにいかんでもええやろってツッコミが聞こえてきそうだけど、こういう日でもないと観光地へ行かないのがスケーター(少なくてもオレらは)。狭い石段をデッキと傘を持ちながら大雨の中ウロウロするのはけっこう悲惨なんだけど、雨と霧に覆われたレトロな町並みと提灯の光がつくり出す幻想的な景色に次第に引き込まれていく。おもわず自分が一瞬どの時代にいるのかわからなくなるような気がしたり(シラフだぞ!)。
途中、湯婆婆が出てきそうな雰囲気の建物なんかに目を奪われながら「大雨の中、やっぱり来て良かった」と感動に浸っていると、思わぬ掛け声が。「オニいさァ〜ん、シュプレェ〜エメィ(Supreme)あるよぉ〜ザビンッ」。アメ横あたりにいそうな現地人のおばちゃんのつたない日本語(?)で偽物を売りつけられそうになると、一気にタダの寒くて寂しい山道に…。まあ、それも込みで異国の地というか台湾っぽさというか、1週間全流し雨だったり多少面倒なこともあるけれど、どこか憎めないのが台湾(人)フレーバー。近々、懲りずにリベンジしに行こうと目論んでおります。「ザビンッ」
─KE