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 現在、3D Skateboard Coを牽引するBAこと、ブライアン…
──BA

2014.04.04
 現在、3D Skateboard Coを牽引するBAこと、ブライアン・アンダーソンのスケートを初めて観たのは、奇才エド・テンプルトン率いるToy Machineが1996年に発表した名作ビデオ『WELCOME TO HELL』のビデオパートでした。この作品はジェイミー・トーマスの神パートあり、女性スケーターのパイオニア、エリッサ・スティーマーのデビューパートなどなど、挙げたらキリがないほど見どころ満載の作品。そんな中に突如として現れるBAは、まさにスケートマシーンを体現しているかのようなスポットを狙う冷徹な眼光と、緻密かつダイナミックなスケートでみんなの度肝を抜きました。

 そして、その後訪れたサンフランシスコで、僕は幸運にもスケートしているBA本人の姿を見ることができました。その日はピア7でスケートしていたのですが、突如お巡りさんの急襲に遭った僕たちスケーターはまさに蜘蛛の子を散らすが如く逃げました(当時は捕まるとデッキ没収+200ドルの罰金)。そんな当時、ピアから最短で身を隠すことができたのが、ハバ・ハイドアウトと呼ばれていた有名なレッジスポットでした。今はもう取り壊されてしまいましたが、コストンのBsノーズブラント、ジョシュ・ケイリスのスイッチBsテールなんかで僕らの脳内に存在し続ける場所です。BAは上記のビデオパートで鬼のフロントブラントをメイクしていますが(Stereoのカール・シップマンが先にThrasherの表紙で写真を残してますが、映像は僕が知る限り公開されてません)、その日はブライアンのほかに、その頃はまだそこまで有名ではなかった現在Habitatで活躍するプロ、ケリー・ゲッツもいました。他にも何人かのスケーターたちがビデオ撮影をしていて、偶然逃げ込んできた僕らはその撮影を傍らで見守ることを許されたのです。トッププロたちの撮影を見れるチャンスはなかなかありませんからね。かなり興奮した観客状態だったのですが、見ているこちらの興奮が彼らの真剣な撮影の邪魔になってはいけないと思い、スナック菓子片手に同じく撮影のオーディエンスになっているChocolateのアマ、ベン・サンチェスの隣に陣取り、冷静を装いながら彼らのトライのひとつひとつを固唾を呑んで見守っていました。その時に遭遇したBAのスケートの完成度といったら、僕はもう開いた口が塞がらない状態でした。あそこのスポットは手前のメインのレッジともうひとつ、奥にも同じサイズのレッジがあるのですが、撮影を試みているスケーターたちの中で唯一、BAだけは奥とメインのレッジをラインで攻略しまくるのです。そのメイク率もさることながら、実にセンスのいいトリックチョイスとリズミカルなテンポでレッジのラインを量産するBAのスケートを夢中になって見ていたことを今でもよく覚えています。

 と、ここまで唐突に僕のBAとのファーストコンタクトを書き連ねましたが、先日発売されたSupremeのビデオ『cherry』においても、BAの素晴らしいスケートを観ることができます。登場時間は短いですが、BAの魅力が詰まった最高のラインを披露してくれています。今回紹介するBAのビデオパートと併せて、『cherry』を是非ご覧になってみてください。

--TH (Fat Bros)

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