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VHSMAG · VHSMIX vol.31 by YUNGJINNN

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ADIDAS SKATEBOARDING /// TYSHAWN II

自由主義と共同体
──CREW

2019.11.22

 お休みの日にいつものローカルスポットでスケート…ではなく普段は行かないようなちょっと遠くのパークに行くと気がつくこと。セクションに無造作に貼られているのは有名ブランドのステッカーの数々。と同時にあまり見かけないようなものも。よ〜く見てみるとそこで滑っているスケーターが同じ絵柄のTシャツなんかを着ていたりする。「これは多分、ここを拠点とする奴らのクルーなのだろう」と察するのです。
 ひとえにクルーと言っても、地域内の同世代で結成されたものから、インターナショナルな編成で組まれ大手ブランドのチームさながらのものまで規模もさまざま。かたやバリケードやパーキングブロック攻めに特化したコアなものから、釣り、音楽、バイクなどスケート+αまで共に楽しむものまでスタイルやカラーも実に多種多様。新しいクルーの存在を知っては「こんな活動してるとこもあるんだね」と思うこともよくあります。スケートの上手い下手、各個人がサポートを受けるショップやブランドといった枠にとらわれず、有志たちが楽しくアツく、時に人間関係でバチバチしながらも同じベクトルのもと集まれるもの。スケートボードって基本的にひとりでやるもので、学生時代に団体行動が苦手でドロップアウトした人も多いのですが、スケートを軸に置いたクルーとなればみんな自然と楽しくできてしまう。チームプレーで協力して得点を稼ぎにいくのではなく、いかに楽しく盛り上がれるかに重点が置かれ、メンバーも少なからず流動的。これこそスポーツだと捉えられるようになりつつあるスケートボードが、本質的にスポーツと異なる点じゃないかと思うのです。
 ともすれば「仲良しクラブ」と裏でディスが入ることもしばしば。しかしやったもん勝ちみたいな側面もありで、クルーで作ったTシャツなどのアイテムがデザイン性の高さから注目され、世界的有名アーティストが着用したとかで突如人気に火がつくことも。服が売れたお金でみんなでツアーでも行けたら最高じゃないですか。そんな可能性があることもクルーを結成し、活動していくことの魅力のひとつなのではないでしょうか。個人的には「なんでコイツら同じクルーなんだ!?」って思うくらいそれぞれのスケート色がまるで違う、そんなクルーが好きですね。みなさんのご意見やいかに。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)






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