
前回、「ZERO SKATEBOARDSに今も息づく伝統とは何でしょう?」というクイズをみなさんに出しっぱなしジャーマンしてしまっていたので、今回まずはその回答をお知らせします。
それはズバリ、チーム発足以来から現在に至るまで、オーストラリア人スケーターをチームに必ず編成しているということです。立ち上げの1996年当時は現在も現役のOZリビングレジェンドであるマット・マンフォードと、『Thrill Of It All』のビデオパートでOZスケーターの気合いと存在感を世界に見せつけたウェイド・バーキッドが在籍してチームを盛り上げました。そして現在、2015年のチーム編成においても、もはや説明不要のハンマープレイヤーであるデイン・バーマンと、最近プロランクに昇格し、世界中のさまざまなスポットに神出鬼没を繰り返しては攻撃的かつ独創的なスタイルでフッテージを量産するニック・ボセリオの2名がオーストラリア人として、このブランドが目指すイメージとクオリティの向上に貢献しています。
そして彼らに限らず、最近は実にさまざまな形でオーストラリア人のスケーターや彼らが運営するブランド、あるいは自国開催されるイベントが世界中のスケーターの注目を集めるようになってきました。年間を通じて温暖な気候と美しい海に囲まれたこの国では、古くからサーフカルチャーが発達し、世界規模での販路拡大に成功したオーストラリア発のブランドが数多く存在します。そしてサーフィンにそのルーツを持つスケートボードカルチャーも当然そこでは古くから認知され、国内多くの地域に設けられたスケートパークで技術を磨き、世界の表舞台で活躍するスケーターはもちろん昔から存在しました。しかし最近ではさまざまなコミュニケーションツール発達の後押しもあり、僕たちは直接訪れることなく、遠く離れたまだ知らない地域に根付き、そこから独自の発達を遂げたお互いのスケートシーンと触れあうことができるようになりました。
もちろんこれは日本とオーストラリアのシーンに限った話ではなく、今でこそ誰もが知る存在となったいくつかのヨーロッパ発のブランドと日本の関係も、このような地道な努力を経て今に至るわけですから、やはり大切なのは、このお互いを知る過程において欠かすことのできない、知的好奇心に支えられた相手へのリスペクトといったところでしょうか。
そして来月には、今もっとも注目を集めるオーストラリア発の新進気鋭のカンパニー、PASS~PORTクルーが来日予定です。ツアーの詳細は未定のようですが、そのスケートもさることながら、ビール片手のナイトライフも相当ハードコアな集団にして自らを「FRIENDLY COMPANY」と名乗る彼ら。いろんな意味で気になります。
--TH (Fat Bros)