Nike SB dojo | スケートパーク

 冬の気配が日に日に深まる今日この頃、澄んだ夜空に輝く星たちを眺めてふ…
──RIVER DANCE

2015.11.06
 冬の気配が日に日に深まる今日この頃、澄んだ夜空に輝く星たちを眺めてふと気付いたのですが、これら星の数ほど存在するスケートボードのトリックすべてを正確に認識し、確かな情報として把握できているスケーターってのもそういないのではないでしょうか? ある程度の基本的なトリックであれば、スケーターとして生活していれば自然と頭に入ってくるし、何より自分でいろいろトライしてみるのが一番なのかもしれません。そして逆に言うとあんまり自分的には興味というか関心が持てなくて、やったこともなければ注意して見たこともないトリックの名前なんかを情報とし て標準装備するのはとても難しいことです。別に知らない名前のトリックがあっても何の問題もないのですが、知らなかったことを 知ると「このトリックにもこんな名前があったんだ!」という発見の感動と小さな満足感を得られます。そして今回、そんな発見が僕自身にありましたので、さっそくみなさんとそれを共有したいと思います(知ってた人はあしからず)。
 そのトリック名とは、今回のタイトルでもある「RIVER DANCE(リバーダンス)」です。どんなトリックかは映像で確認するのが一番ですが、基本、ランプ上で表現されるもので、コーピングにノーズストールをかけたとほぼ同時にテール側の後ろ足をすばやくノーズに移動し、開放された前足はサッカーボールキック並みに勢いよく前方にのばす。そして再びすばやく元の状態に足を戻してフェイキー方向へロールアウトするというもの。
 この「リバーダン ス」、それをこよなく愛するスケーター(僕の仲間にもふたりいる)にはお叱りを受けてしまうかもしれませんが、いわゆる「ヘン な」トリックです。ある人はそれを「ギコい」とも言います。別にできなくても気にならないし、できてもさほどの達成感は得られないように思われます。ただこのトリック、調べてみるとまず「リバーダンス」というダンスが実在します。僕は知りませんでしたが、 なんでも体幹や腕を使わずに足の動きだけでアイルランド音楽にあわせて踊る「アイリッシュ・ステップダンス」という伝統的な舞踊をモチーフにしたもので、1994年にアイルランドで開催されたミュージックフェスティバルで披露されたパフォーマンスがその始まりなんだとか。
 これらのことから想像するに、おそらく'90年代後半、このダンスをどこかで目にしたスケーター(たぶんヘンなヤツ)が、どこにでもある仲間たちとのユルいミニランセッションの合間に「リバーダンスだ!」とか言いながらふざけ半分でやり始めたのが地域に伝播し、やがて世界中の「ヘンな」スケーターたちのお気に入りになったのではないでしょうか。そう考えるとトリックそのものがイケてるかどうかはさておき、こういう自由な発想で生まれた「ヘンな」トリックが会ったこともない世界中のスケーターに認知されていく過程というものもなんともスケートならではだなと、妙に納得してしまいます。
 それにしても、個人的には世界最高のスケーターのひとりであると思っているジョン・ラットレイが、真剣にリバーダンスを連発している画は実に滑稽です。しかも彼はアイリッシュではなくスコティッシュであるというオチもしっかり付いています。

--TH (Fat Bros)

  • ELEMENT
  • NB Numeric: New Balance