
歩きながら、プッシュしながら、また運転しながら街の片隅に「それっぽい」ものを発見しては実際に味見してみたり、自分のスポット帳に保存したりと、スケーターとしての習性・本能みたいなのはまだまだ自分に染みついて抜けることはなさそうです。一方、世間一般的にはストリートでのスケートが度々槍玉に挙げられ、締め付けや対策が強化されてばかりで頭が痛い。
見つかりゃ1発タイーホな街中へのグラフィティや落書き行為と同列に扱われ、ストリートスケートそのものが違法行為となってしまうような未来は、ここ日本という国で生活するスケーターにとっては望まぬ懸念事項のひとつではないでしょうか。仮にそうなってしまうまでは、わずかばかりでも街中のそこらに爪痕を残していたいと思うのです。いや、違法行為となってしまってもなんだかやっちゃいそうな自分が怖い。
2025年、まだどうにかグレーゾーンで生きている我々。そんな中で普段の生活圏内に存在する地形のあれこれが突如スケートで何かできそうなスポットとして閃いたり、たまたま通りがけの道に絶好のスポットを発見したりってのは日々のちょっとうれしい出来事。それが調子のいいものだったり、絵になるもの、擦られた形跡のないものだと嬉しさ倍増。ちょっとした縁石やステア、レールやバンクなんかは比較的見つけやすいのですが、天然アールってのがそうそう見つからない。運良く発見しても路面やアプローチ的に無理があったりと「惜しい!」物件数も実に多い。
先日もスポット臭につられ公園を散歩(スポットチェック)した際に天然アールを3つ4つ発掘できたわけですが、あのゴツゴツした石のタイルに目地がデカめな、たまに見かけるスケートに不向きなヤツだったんだよな...。さらには比較的好条件が整っていても天然アールって急な作りのものが多いため、自分の出せるトリックも限られてしまいます。そこがまた燃える部分でもあります。
路面最高、遊ぶにはちょうど良い高さでちょいキツめなアールが横に長く続く上●公園のアールが国内で自分が知る限り極上の天然アール。願わくばスケートボードフリーにして欲しいものですが、日中は人通りも多く、ヘイターの声も大きいこの国ではまぁそうはいかないでしょう。
以前と比べてめっきりストリートに繰り出す時間が減り、パークで滑る比重が大きくなりました。しかし個人的にはパークは練習をするところで、それを本番、つまりはストリートやイレギュラーな場所で上手く滑るために鍛える場所っていう位置づけっす。そんな日常のスケートが、偶然出くわした天然アールで発揮できると脳汁すごいんだよな〜。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)