
ことスケートボードを楽しむにあたって、必ず必要となるモノはどんなタイプであれまずはスケートボードそのもの、そして次に強いて言えばシューズであったり身にまとうもの(衣類全般)くらいなもんなので、スケートボーディングってのはとっても気楽に、自分の好きなタイミングで始めることのできる実にすばらしい活動であります。そしてその内容や技術的な到達度にも明確な規定はなく(コンテストは別)、これができなきゃ楽しめないとかいう具体的な境界線は存在しないのですが、このスケートボードをひとつの「活動」として楽しむことのできる人々と、いわゆる「スケーター」と呼ばれる輩たちとの間には、何とも説明し難い微妙な「違い」があり、スケーターと呼ばれる輩たちはその「違い」をひとつの基準にして、スケーターか否かを決定付けているというような一面があります。
そしてスケーターたちが感じ取るこの微妙なニュアンスを理解するにあたって、とても分かりやすい行為が彼らスケーターの活動の中にはあります。それは路肩の縁石や公園のベンチや花壇にワックスを塗るという行為です。
僕も初めて地元のスケーターたちが集うスポットを訪れた時、彼らのその行為に衝撃を受けました。なにやら怪しげに石鹸みたいなものを階段に塗りたくる彼らは、それが済むと交互に並んで順番に階段に突っ込んでいき、ノーズやテールをスライドさせたり、トラックでゴリゴリとグラインドして、見守る仲間たちがそのつど「イエス!!」を連発する光景。少なくとも僕の場合はその光景を見て、同じように縁石にワックスを塗り、グラインドやスライドを仲間と楽しめるようになった時に初めて一人前のスケーターになれたのかなと思ったような気がします。
そんな当時のワックスといえば「SEX WAX」というサーフィン用のヤツか、おっぱいの形をしているブランド不明なものでしたが、最近ではクールなワックスカンパニーも登場し、どうやらそのクオリティも今回紹介する映像を見る限り最高品質のようです。Sauce(そぉ~っす)ね!
─Takayuki Hagiwara(FatBros)