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現在発売中のオーリーマガジンさんの企画にて少しコメントさせてもらってい…
──上手い?凄い?格好いい?

2014.12.05

現在発売中のオーリーマガジンさんの企画にて少しコメントさせてもらっています。


俺のスケートに対する考え方に大きな影響を与えた大阪のOZA氏こと尾崎君と言う人の言葉に触れています。
是非、紙面にも目を通してもらい、こちらを読んで貰えるとより深い理解につながるかと思います。
(オーリーさんの購買につなげて俺にお金が入ってくるとかではありませんので誤解なく(笑))
ざっくり説明すると、「スケーターたるもの格好良くあれ!!」といった事を20年ほど前に教えられました。
が、紙面を読んだ人は、「そんなん言うてるチョッパー別に格好良くないやん!?」と?に思った人が多いかと思います。
今日はその辺りについて少し語ります。
まず小中高生くらいの若い人達は、人生経験に基づき比例して言葉のボキャブラリーが少ないのは仕方ない事かと思います。
準じて、スケートに対する評価も「上手、下手」という二元的な評価しか出来ないことも容易に想像できます。
なので必然的に「上手い=格好良い」や「上手い=凄い」等となってしまっている場合が多いのだと思います。
例えば、その人の技術を冷静に見て絶対にメイクできないであろう身の丈に合わない20段のステアにトライして玉砕する様なタイプのスケーターの事はどう評価されるのでしょうか?
この場合は主観により「凄い!!」ではあっても「上手い!!」と表現すると言葉として間違ってくる事になります。
ですが、更に考えると主観によっては、その気合の入り方に共感し「あの人、上手くはないけど、気合の入り方が格好良い!!」という事は成立する事になります。
なので「上手い=格好良い」と二元的な発想しか出来ないのは単に言語能力や感受性の幅の不足だという事になってしまいますが、「あの人"上手いから"格好良い!!」という表現なのであれば、一主観に過ぎず的確な表現に成り得ます。
が、実情は世の殆どの人は俺も含め言語のプロでもないので、その様な大人を見て育った人達もまた必然的に言語による表現の幅が狭くなってしまいがちなのも仕方がないのかと思います。
と、その辺りを説明し逆を考えると「上手いけどダサい!!」と表現される様な人が存在するのも必然になります。
が、その様な評価を出来るのは、二元的な思考の幅を超えた思考や感受性を持った言葉の使い方が上手な少数派に限ってしまう場合が多いのも世の事実です。
そういう少数派が主観で「あの人上手いけど、ダサいな!!」と自身で本当に感じても、多数派の人達は本質が理解できずに、そういう少数派を単に「天邪鬼な嫌な奴!!」とレッテル張りしてしまう事も多いのかと思います。
勿論、あえて他人のスケートを「ダサい!!」と口にする様な人は仮に本心であっても、大人に成りきれない精神年齢の低さを批判されるのも仕方がない所かと思います。
そういう場合は黙っているのが大人の得策なのかもしれません(笑)。
また、昨今では「キモ可愛い!!」といった既成概念を更にぶち壊した新たな概念が成立し、「時は~正に世紀末~♬」を更に超え、その向こう側「キモキモい!!」といった個性を売りにしている大阪の自称?重鎮某D氏(42歳)の存在などはそのフォロワー数の多さからも言葉や概念は時代と共に変化、多様化、進化するという事を否が応でも認めざる得ない事実の一つなのではないでしょうか?
というか、それを認められないのであれば、その先は単なる思考停止世界が待っているという事なのだと思います。
それらを前提に本題に戻ります。

俺はその尾崎君に「格好よさ>上手さ」という概念を教えてもらいました。
勿論、それは一個人主観に過ぎない事ですが、俺の中のスケートボードにおいてはかなり重要な事でした。
今で言う映画"DOGTOWN & Z-BOYS"に出てくる今年他界してしまったジェイ・アダムスの名言「style is everything!!」の概念をその言葉も一般化される更に前、インターネットも普及していなかったであろう時代に尾崎君は体現していました。
前回も述べた様に、それまでは「上手いか下手か」の二元的な考え方で、技術でしかスケートボードを評価出来ずに、コピートリックを大量生産する事を目的としていた俺にはセンセーショナルな事でした。
そんなはずの俺のスタイルが何故今の様になったかの遍歴を軽く述べていきます。
尾崎君と出会うまでは、最新のアメリカのビデオを見たら、即、それをコピーし、自分のやりたい大抵の技は半年もあれば殆どメイク出来る様な感じのスケートをしていました。
が、尾崎君と出会い、その様な事を教えて貰い、それまでの自身のスケートが自分にとっては意味の無い事だと気が付き愕然としたのです。
その後、当時なりに大阪のテクニカルスケートの前線の1人にいた俺はビッグサイズのパンツがブームの最中、まさに時代に逆行するかの如くスキニーパンツを履き、一切のテクニカルスケートをストップし、1年以上スラッピーのみしかしない生活に変えました。
当時、今と違ってストレッチ素材でなかったに関わらず、モデルをしていたような明らかに俺よりも細い女の子の友達に「チョッパーこんなんが欲しかったんやろ~!!」と余り物のスキニーパンツを貰い、どう考えても太ももが90度も上がらない状態でスラッピーしかしない生活は正に正統派変態!!
しかし、その苦行こそが真のスケーターになる為の茨の道と捉え日々のスケートライフを満喫していました。
雨の日は、当時としてはメインストリームとはかけ離れた時代遅れとも言われている様なZORLAC、ALVA、Z-BOYZ等々のビデオの中から自分で好きなパートだけを切り取り集めた大全集的なVHSのビデオを何度もスロー再生、巻き戻しを繰り返し、特にアーロン・マレー、ブッチ・スタービンス、ジェフ・ハートセル等のスラッピーでの捻りや反り具合を研究していました。
要は今も日本の若い人にも人気のある様な、体のフォームを意識する意味での"スタイル"という概念を重要視したスケートの起源と言えるようなスケートをしていたのです。
正に自分教の幕開けがあの頃だったのでしょう!!
そこから少し経ち、次のマイブームはジェィソン・アダムスあたりの髪の毛をカラーリングし鋲のベルトやリストバンドを付けた様なパンク系のスケートにシフトしていきました。
そして更にジョン・カーディエルやダン・ドレホブル、今で言うデニス・ブセニッツの様なサンフランシスコ風スピードスケートとも言うのでしょうか?その様な常にハイスピードで突っ込むという様なスケートも取り込んでいきました。
その辺りで同時進行で最も俺が影響を受けたと言ってもいい、サイモン・ウッドストックというスケーターの存在を知ったのです。
そのあたりで気が付きだしたのです。
最初はオリジナルを目指すが為に、多数派に反する様な少数派を目指していました。
そして、多数派のスケートに始まり少数派のスケートスタイルも合わせ殆どのスタイルを自身で経験し通ってきました。
が、最終的に、多数派から少数派に変わる事と、真のオリジナルである事は似て全く異なる事だと気が付いたのです。
その辺りからが、前回にも書いたような新たな挑戦への幕開けだったのです。
真のオリジナルを目指すべく、あらゆる先入観、固定観念、既成概念を疑う事を念頭におくスケートへと変化していきました。
勿論、当初は異端としか捉えられず、理解者は皆無でした。
そこから、約20年経った今の結果は皆も知ってくれている通りかと思います。
そういうプロセスも含め、今の俺は外見的なフォームを重要視し「格好良い!!」と捉える若い人のスケートの事も理解した上で、俺は更に先に進んでいる為、俺の中の「真の格好よさ=オリジナルである事」と捉えているので、俺の今のスケートを見て「格好良くない!!」と若いがゆえ、経験とそれに伴うボキャブラリーの乏しい人に思われるのは重々承知で今の現状に存在しています。
例えると、写実的なデッサン技術しか評価できない若い人に、それを通り超えた上で抽象表現している芸術作品が理解に難しいのと同じかと思います。
そういう事からも、俺の中では「格好よさ>上手さ」と言うのは全く問題なく今も成立しています。
なので、そういう考えも含め、例えば、日本のスケーターだったら誰が好き?と問われるなら、実は米坂淳之介氏やT19の木川田氏(等々ここで述べきれないほどまだ沢山いますが)は意外に思われるかもしれませんが、日本の中では俺の中で最も好きなスケーターだったりします。
(俺自身とそもそも価値観が近いであろう、宮城豪や森田貴宏等を除いてという意味で)
要は自身が目指している方向性と他人への評価が同一線上にしか無い様な狭い幅でしか物事を捉える事が出来ない様な状況に陥ってしまうと、それこそ自身の幅を狭めるのではないでしょうか?
そんな、こんなで、ここに述べた事を色々参考に考えて貰えれば、今回のオーリーマガジンさんの企画は更に意味深い物に成ってくれるかもしれません。

INSTAGRAM @chopperosakajpn
CHOPPER & THE OSAKA DAGGERS  WHEV.COM

CHOPPER
中村泰一郎:ナカムラ タイイチロウ
日本で唯一の国際プロスケートボーダー。
世界流通を持つBAKER BOYS DISTRIBUTIONの傘下ブランドHEROIN SKATEBOARDS所属。
世界流通で定期的にプロモデルをリリースしている。
世界的に知る人ぞ知るOSAKA DAGGERSのリーダー。

INSTAGRAM:@CHOPPEROSAKAJPN
FACEBOOK:中村泰一郎(CHOPPER) 
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