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アシタノワダイ
──コンセプチュアル

2020.10.29

 コンセプチュアルなビデオパートについて語ろう。“コンセプト”という言葉を調べると、概念とか観念的とかお硬いワードがでてきますが、そのあたりは国語の授業ではないのでスルー。日本で一般的に定着しているコンセプトがあるってやつの、しかもスケートのビデオパートの話。
 わかりやすくコンセプトを打ち出したT-Pudsの“Flatbar Frenzy”は、その名の通り全編フラットバーを滑り倒すもの。日本を含む世界各国のフラットバーを最大限使いこなすそのスキルと着眼点とバジェットにマンマミーア。近場でいくと、Yudai TVのPick Upパートは彼の地元であるオール横須賀パート。フィルマーも横須賀でスケートショップを営むHon Dによるもので、ローカル愛を感じます。もっと突き詰めたコンセプトパートといえば、Junya FireのPick Upパート。地元湘南で撮り下ろされたモノですが、範囲をピンポイントに定めセガ前オンリー。こちらもフィルマーは湘南ロコのPongくん。地元を離れて三千里、アメリカは東海岸からのビジター、イーライ・リードの東京パートも忘れてはなりません。いわずもがな東京オンリーで撮り下ろされたものですが、本人曰く裏コンセプトはウォーリーパートだそうです。オーイェー、オーイェー。
 最後になりましたが、今宵の本命を。Habitatの『Mosaic』に収録されていたジェイソン・ディルのパートのコンセプトはおわかりでしょうか? これを知っている人はなかなかのスケート雑学王、もしくはただの暇人(オレだ)。半月型のグリーンベンチを滑り倒してからのバルセロナで撮影という流れもいい(キャプテン)フックになっておりますが、何を隠そうあのパートは全編ラインのみ。そう、単発なし、オールライン。しかもそのことを特に公言していないというか、よく見れば解るって謎掛けしているあたりがエロい。
 ついでに補足しておくと、冒頭のホームレスがフレッド・ガルにうんちくたれている音声はアテレコというか、編集でぶっこまれたものです。ブジュ、ブジュ、ジュゥ〜。

─KE

 





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