突然ですが、ドキュメンタリー作品が好きです。2000年代初頭のON Videoシリーズ、『Dogtown and Z-Boys』、『Bones Brigade: An Autobiography』や『The L.A. Boys』といった取材を重ねてテーマを深堀りする長編も良し。スケーターの人柄や活動を限られた時間で伝えるデイ・イン・ザ・ライフ的な短編も良し。歴史やカルチャー、スポットやスケーターについてよりよく知ることができる、知的好奇心を満たしてくれるノンフィクション。
基本的にこの類の作品は事実をありのまま伝えることが基本となりますが、制作者の描写や切り取り方によって仕上がりが変わってくると思います。過度な演出を加えたり、余分な情報を詰め込み焦点がブレた印象を持ってしまう作品は観るのが辛い。特に足し算思考で不必要にダラダラと長いものは個人的にNG。そんな中、ツボなドキュメンタリー作品が公開されました。
『Time Scan』を手掛けたロブ太郎のNEWプロジェクト、Long Distance。記念すべき第1弾にフィーチャーされたのは当サイトでもコラムを担当しているUnderdog Distributionの田中憲治。スケートに人生を捧げた彼の生活、仕事、活動が凝縮した形で伝えられています。ロブ太郎は田中宅に住んでいたこともあり信頼関係が築けているせいか制作者と取材対象者の距離感もいい感じ。飾らない等身大の言葉も素直に入ってくる。
「たとえば今日、今から死にますってなっても、いい人生だったと言える」。まだ観ていない人は今すぐチェック。第2弾も楽しみでなりません。
--MK