Nike SB dojo | スケートパーク

スケートの撮影中にポケベルをチェックするという前代未聞をメイクしたのは後にも先にも彼のみで…
──A LITTLE SOMETHING EXTRA

2016.11.04

 いわゆる「プラスアルファ」を取り入れて、自分のスケートスタイルにひとつ上の個性を演出するスケーターというのは、いつの時代にも存在するように思われます。分かりやすい例としては、あの世界のクリスチャン・ホソイがスケート時に腰の辺りになびかせているタンクトップの切れ端のようにも見えるスカーフ状のものでしょうか。究極的にはスケートそのものには必要のないものを遊び心で取り入れ、自身のスケート熱を高める。そんな心の余裕はつねに危険と隣り合わせのスケート時だからこそ忘れてはいけない大事な要素なのかもしれませんし、こういったスケーター特有の遊び心が、時には世界的なトレンドを生み出す原動力になるなんてこともあったりするわけですから不思議なもんです。そんなプラスアルファの中でも、特に異彩を放つアイテムを身に着けスケートフィルミングを敢行した時代の猛者たちを今回は紹介してみたいと思います。おそらく2000年以降にスケートを始めたヤングガンズたちには「マジッすか!?」なアイテムばかりですが、これもひとつの時代を飾った真実(リアル)です。
 まずはスケートの教典、Thrasherが1994年にリリースした名作『Feats』に登場したドレイク・ジョーンズが魅せた実にスマートなプラスアルファ、それはバックパックを背負ったままフッテージを残すという荒業です。当時SFのダウンタウンには、プッシュ移動できる範囲内に多くのスポットが点在していたのと、それらのセキュリティがもれなくタイトだったことが影響していると思われます。要はヒット&アウェイ的なノリでビデオ撮りをしていたのでしょうが、特に意識していなかったようなことが結果的に実に画になる、というかリアルな路上での出来事として映像化された典型的な好例といえます。
 そして1996年リリースの名作『Trilogy』でのカリーム・キャンベルのプラスアルファはいかにも時代を反映している代物、「ポケベル」です。すでにヤングたちには「何ソレ?」なアイテムでしょうが、当時のクールなキッズたちは仲間や恋人とポケットベルを用いて連絡を取り合っていたのです。もちろん僕らも持ってましたが、スケートの撮影中にポケベルをチェックするという前代未聞をメイクしたのは後にも先にも彼のみでしょう。ちなみにこれをiPhoneで真似するのはやめましょう。かっこ悪いです。
 また当時のスケーターたちのバイブル的存在だった411VMが1997年にドロップしたIssue 20での“SAD”ことジェイ・ステファンスはのっけからなにやら布のようなものを右手に握り締めてスケートしています。彼が単に前時代のハンカチ王子だったのかどうかはいまだ不明ですが、当時僕の周りでは「これは彼が所属しているギャング集団への忠誠の証なのでは?」なんていう根拠のない噂話がまことしやかに囁かれていたとかいないとか。
 そして極めつけはやはりこの人、チャド・マスカが当時所属していたShorty’sのビデオ『Fulfill The Dream』で魅せた驚愕のプラスアルファ、それが小脇にラジカセスタイルです。おまけに彼はバックパックをも身に着けているので、もはやプラスアルファの域を超えた存在感です。
 と、ここまで代表的なプラスアルファを駆け足でご紹介しましたが、チャドのそれ以降これといったプラスアルファは出ておりませんので、何かいいアイデアがあるぞというそこのアナタ、この機会に誰も想像できないようなプラスアルファで世界デビューしてみてはいかが?

─Takayuki Hagiwara(FatBros

 

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