Nike SB dojo | スケートパーク

'90年代初頭にSMAやSanta Cruzのプロとして活躍した正統派スケーター。25歳の…
──TIM BRAUCH

2016.06.17

 突然ですが、みなさんはスミソニアン博物館というものをご存知でしたか? 僕はそういう総称があることを知りませんでしたが、それはアメリカはワシントンD.C.とその周辺に点在する19のさまざまな博物館や研究施設群の総称で、その莫大な敷地内にはアメリカ合衆国はもちろん、世界の歴史を語る上で欠かすことのできないさまざまな文化財や学術書、美術品に蔵書などなど、実に1億4千200万点にも及ぶ収集物が展示、保管されているのだそうです。有名なものだとアポロ月着陸船17号が月面から持ち帰った石や、所有者が謎の死を遂げる呪いのダイヤ、ライト兄弟による世界初の航空機であるライトフライヤー号に昨今話題のダイオウイカ(11m)の標本などなど。また微妙なところだとスーパーファミコンや3Dデータから作られたオバマ大統領の彫刻、家庭用核シェルターに世界一長い髭などもあり、まさにいろんな意味で興味をそそられるのですが、今回このスミソニアン協会が2004~2007年にかけて行った合衆国巡回展示サービスに、とある偉大なスケートボーダーの記録と記憶が讃えられたという貴重な情報を入手しましたので、早速みなさんと共有したいと思います。
 そのスケートボーダーの名前はティム・ブラウチ。'90年代初頭にSMAやSanta Cruzのプロとして活躍した正統派スケーターで、当時の流行のスタイルは程ほどにパークやストリート、ボウルにプールと何でもござれのまさにオールラウンダー。当時の個人的なイメージはとにかくエネルギッシュによく滑るスケーターで、そのスタイルはまるでリモートコントロールされてるんじゃないかってくらいに正確でスピーディ。中でも彼のブラントトリックは絶品で、ウィールがコーピングを越えた瞬間に空中に浮遊して、そこから巧みなボディコントロールでありとあらゆるコンビネーションを披露できる稀有な存在でした。そして何よりもその人格者としての一面、家族や親しい友人にはもちろんのこと、訪れる旅先で出会う多くのキッズやローカルたちへの優しい接し方は出会ったすべての人の心をとらえ、1999年5月9日に先天性の心臓疾患により25歳の若さでこの世を去った後も多くの人に愛され続けています。そして彼の偉業を讃え、カリフォルニアのスコッツバレーに建設されたTim Brauch Memorial Skateparkなどで毎年彼の名を冠したイベントが催され、彼を知る人はもちろん、現役の彼を知らない多くのキッズたちが集まりみんなで純粋にスケートを楽しんでいるようです。
 スポーツが持つ競技という概念の枠に囚われず、スケートボードという活動を通じて多くの人を勇気付け、いい方向を向いて人生を全うすることの大切さを示した彼をスミソニアンに推薦した彼の家族、そしてそれを理解して受け入れたスミソニアンと、彼らのアメリカ合衆国にビッグリスペクトです。
 そして今回、ショップでオーダーした荷物の中にこのティムに関する貴重なDVDを忍ばせてくれた、某ア●バンスマーケティング社のご担当者様にもこの場を借りてビッグリスペクトです。ありがとうございました。

─Takayuki Hagiwara(FatBros

 

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