Nike SB dojo | スケートパーク

木を隠すなら森の中
──カモフラージュ

2019.09.13

 夏の終わりも見えてきたある日の夜。愛媛から仕事ついでにやってきたブタゴリラたちと合流し、近場のスポットに撮影に出かけました。有名スポットの林立する都心エリアから電車で数駅という僕の住むエリア。そこには変わり者も多いためか、スケートボードに対する住民や警察の見方も割と寛容に感じるのですが、都内はそんなに甘くない。スケーターが好んで餌食にするようなスポットはセキュリティが目を光らせています。
 スポットに到着し、狙ったトリックを数発トライしていたそんな時。ライトを焚いて撮影していた僕らに警備員が向かってきました。「今日は早いなぁ、もうダメか…」なんて思っていたら、主役のブタゴリラはデッキをしれっと隠し、何やらブレイクダンスを踊り始めたではないですか。そしてそれを撮影するフィルマー。「いや、スケボーじゃなくてダンスの撮影だから大丈夫でしょ?」と言わんばかりの自分たちを「アレっ?」と訝しがりつつ、警備員のおじさんは施設の中に引き返していきました。素人目に見てもわかるぐらい、そりゃあ低クオリティなダンスだったのですがそれも奏功したのか、彼は狙ったトリックをゲットし意気揚々と愛媛へ帰って行きました。そんなブタゴリラ曰く「このテクは地元松山では結構使える」のだと。
 これは実にピースで笑えるカモフラージュですが、セキュリティからのキックアウトを防ぐ方法として他にも「スケートに構っていられないぐらいの騒ぎを近場で起こす」みたいものもあるようです。また第三者が雑談や交渉を持ちかけてセキュリティの気を紛らわせた隙をついてのトライもまれに見られるテクニック。考えてみりゃそうだ、セキュリティが近づいてきたからとて一旦スケートを休止し、さも「滑ってません、ここでチルしてるだけです」的なのは僕の経験上ほぼ100%失敗します。「上手なカモフラージュ方法もあるんだなぁ」と思わされた今回のスポットパトロールとなりました。
 そして街中で撮影していて怒られるのはなにもライダーばかりではありません。なぜかフィルマーが主犯格とされ怒られることだって多々ある話。某インターン兼フィルマーのKEは映像を撮影する際、遠くにセキュリティや警察などを察知するとしれっと街行く人の中へ身をカモフラージュし、どこかへ消えていくのだとか。「彼はそのためにスケーターらしからぬ格好を日々心がけているのだよ」と友人のヤ●マーに教えてもらいました。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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