7月半ばぐらいまで夜は長袖を羽織るほど涼しい日が続き、過ごしやすい夏を期待していたのですが梅雨も明けるや否や、やはり今年もうだるようなこの暑さ。熱中症でダウンなんてのは時間の無駄でしかないので、外出時、特にスケートに余念のないみなさまにおかれましても最善の注意を払って日中を過ごしていただきたいものです。なんでもキャラクターの着ぐるみを着たスタッフが暑さで倒れそのまま…。しっかりとした食事、水分、そして塩タブレットが欠かせません。
さてと夏休みシーズン、暑さのなか行楽地や催し物で着ぐるみを着て笑顔を振りまくスタッフの過酷さは想像を絶するものがありますが、彼らは子供からはもちろん、大人からも人気者。時にキャラクターの人気に火がつき、世に知れ渡るような存在ともなれば経済効果も計り知れないはず。スケートシーンでも過去から現在に至るまで多くのキャラクターが活躍してきました。僕がスケートを始めた頃に印象的だったのはBlindの骸骨キャラクターであるリーパーやWorld Industriesのフレームボーイ、そしてウェットウィリーになるのかな。アーティストのマーク・マキーによって描かれたキャラクターは他にも多くのブランドに提供され、デッキを中心にTシャツをはじめとしたグッズに見ることができ、「これもそうだったのね!」と今になって知ることも多いです。そんなWorld IndustriesのキャラクターTシャツ、僕も中学の頃に着ていましたが、高校になる頃には「キャラモノって子供っぽいよな…」と着る機会は徐々に減り、いつの間にか実家で処分されてしまっているでしょう。「今着たい」と思っても後の祭り、売っているのを見ることはありません。
キャラモノって好き嫌いの分かれる部類でしょう。一見すると子供っぽく見えることもあり、実はそんなにかっこいいものではないのかもしれません。たとえば往年の定番、SpitfireのビッグヘッドがプリントされたTシャツなんて着た日には「デートの時はそれ禁止!!」と彼女に一蹴されることもあるとかないとか…。とは言えデザイン性やブランドの持つイメージ、実力もあいまって人気を勝ち取り「なんだかイケてるもの」へと成長していくのもキャラモノの特徴。なんてことないはずのキャラクターをかっこよく仕立てあげているのって、実はそれを背負うブランドのチームライダーや、そこから影響を受け身に纏うスケーターの方だったりするのかもしれません。
ここでひとつ気になったことが。スケートインダストリーにはさまざまなブランドがありますが、トラックにおいてはマスコットキャラクターを打ち出したブランドがひとつとしてないような気が。グラインドするには硬くてなんぼ、「オレたちゃ硬派に行くぜっ!」ってなところでしょうか…。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)