Nike SB dojo | スケートパーク

SOTY最有力候補
──大器晩成

2019.10.11

 マーク・スチュウの最新フルパート“Verso”が恐ろしく素晴らしい。11分半にも及ぶ超超超ロングパートにはシンプルなハンマーやトレンディなトリックはもちろん、これまで見ることのなかったコンビネーショントリック、そしてここ日本でのフッテージも詰め込まれています。心地いいテンポで街をスケートする様、そしてトリックひとつひとつの完成度の高さも相まって、2019年も残り数ヵ月といったところで、この10年間のスケートボーディングのひとつのアンサーを見てしまったような気すらしています。
 それにしても驚いたのは、こんな強烈なパートを残したのがマーク・スチュウだということ。そう言うと誤解を招きそうですが、これまでのパートや去年adidas Skateboardingのイベントで来日した際に彼のスケートを間近で見ることもでき、素晴らしいスケーターであるかは百も承知。しかしネクストレベラーの若いスケーターが次から次へ登場してはシーンを引っ掻き回している昨今、その陰で存在が薄くなっていたというか…。27歳という、スケーターとしては決して若い方だとも言えないので大器晩成と言うべきか。ここにきて堂々たるパートの発表に思わず画面の前でフリーズしてしまったというワケです。
 そしてマーク・スチュウといえば自身の名を冠したトリック、スチュウグラインドの存在も。これまた爆誕したての最新トリックではないものの、未だなかなかお目にかかれないレアな存在であり続けています。新しいトリックが誕生すると間もなくして各地で腕自慢のスケーターたちによってコピーされるのが世の常ですが、そんな追従を許さない(というかできない)トリックというのもまた珍しいのではないのでしょうか(僕も生でやっている人を見たことがありません)。確かなスキルを武器に、拠点を移したばかりのNYCという地でまた新たな動きを見せてくれることでしょう。
 そういや僕の実家に1足、Suciuのネームが入ったadidas Skateboardingのシューズが。かなり前に友達から格安で譲ってもらったのはいいのですが、自分にとって不慣れなフォルムと配色に違和感を感じ、ほとんどお荷物のようになってしまっていたのです。「今度帰ったら履いてみよう」。そう思わせてくれるほど、僕にとって衝撃的なビデオパートでした。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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