Nike SB dojo | スケートパーク

世界と逆行する遅れた日本社会
──ユニバーサルデザイン

2019.10.04

 それは先日、とあるスケートショップにて店主と近況を語り合っていたときのこと。ひとりフラッとやって来たのは去年から日本に住んでいるというフランス出身のスケーター。聞くところによると年齢やスケート歴も比較的近く、初対面ながら打ち解けるのにそう時間は要しませんでした。やはり「スケーターの考えることは万国共通」と感じる部分も多く、お互いの国のスケート事情や滑りに行った国やスポットのこと、オリンピックからグルメに至るまで話し込むこと1時間!
 その中でも驚かされた話といえば、彼の地元では、行政がスケートができる場所を20ヵ所ほど新設するというもの。その数の多さにもビックリなのですが、なんとスケーター以外も使えるような設計になるということです。それらはスケーターやBMXライダーくらいしか立ち入ることのないスケートパークという施設ではなく、街中や公園の施設として多くの人が利用でき、かつ合法的にスケートできるというシロモノ。おそらくベンチやハンドレール付きのステア、スロープなんかが定番アイテムとしてあるプラザ的なものかと思うのですが、これはスケーターと街が共生するための一歩先を行く取り組みだと思います。
 確かに、音はうるさいし不意に物を壊してしまうこともあるスケーターという存在。その一方で、そこにスケーターがいることでホームレスやドラッグ売買などによる治安の悪化が防げられ、街も賑やかになるという認識も一部地域では定着しているようです。先述したフランスの行政の取り組みもおそらくそんな認識の上に成り立っているのでしょう。
 と同時に思い出したのは、つい最近ニュースにもなっていた福岡市の取り組み。スケーターの集まる公園に対して市がやったことと言えば地面にゴム製マットを接着しスケートしづらい環境にすること。このマットがまた無造作に敷かれたものだから景観の劣化も著しい。そんな市の対策も虚しく、「スケボー族」の撃退にあまり効果がなかったというのだからギャグのような話です。ハードなセキュリティやスケート止めといった逆境があろうと、工夫を凝らして滑ってしまうのがスケーターの習性。永遠にいたちごっこをするのでなく、できればそんなスケーターの習性を理解し、逆に利用してやるぐらいであってほしいものです。福岡市のみならずスケーターに頭を悩ませている地域の職員さんにも是非読んで頂きたい本記事。フランスの例のように、お互いプラスになるような取り組みがなされるとなれば、多少忙しくとも全力で協力しますよねぇ、スケーターのみなさん!?

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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